「葬儀と通夜には、薄化粧で地味な髪型で参列する…」という漠然としたマナーは、ほとんどの方がご存知かもしれません。
しかし、一般的に”片化粧”と呼ばれる葬儀と通夜のためのメイクには、独自のルールが多々存在します。
大切な場面で周囲に悪い印象を与えないように、正しい知識を覚えて身だしなみを整えましょう。
葬儀・通夜の時のベースメイクは、”ツヤ感をなくして、マットに仕上げる”ことが鉄則。
コンシーラーや薄づきのファンデーションで気になる部分をカバーしたら、マットなフェイスパウダーで押さえてツヤ感を押さえるのがベストです。
パウダーファンデーションでも構いませんが、どうしても厚塗りになりがちなので、できるだけ薄く塗ることを心がけて塗りましょう。
また、チークも基本的には控えた方がいいですね。どうしても使いたい場合は、薄づきでマットなベージュやピンクをニュアンス程度に入れる程度に留めて。
立体感の出るハイライトやシェーディングも控えて、「あくまで最低限のマナーとしてメイクをしています」という印象を与えることを、意識してみてください。
アイシャドウに良く入っているパールやラメも、葬儀・通夜にはふさわしくありません。
ピンクやブルー、ゴールドやシルバーなどの目立つ色は避けて、マットで肌なじみのいいベージュやブラウンを選ぶのがポイントです。
マスカラは、涙でにじんでしまう可能性があるので、できればつけないのがベター。
どうしても使いたい場合は、ボリューム感やロング効果が控えめのナチュラルなものを、サッと一度塗りする程度にとどめておくと好印象です。ブラウンのマスカラも、ナチュラルで良いですね。
アイラインも同じく、にじんでしまう可能性を考慮して引かないことをオススメしますが、どうしてもの場合はウォータープルーフのアイライナーで細く自然に引きましょう。
当然ですが、囲み目や涙袋メイク、カラコンやつけまつげは絶対にNGです。
葬儀・通夜の時のメイクで、意外な落とし穴になるのがアイブロウ。
「できるだけナチュラルに」が合言葉の葬儀・葬式メイクですが、まばらで薄すぎたり、細すぎたりするアイブロウはだらしない印象を与えてしまいます。
アイブロウだけは、いつもと同じように丁寧に描くことをオススメしますが、薄いアイメイクとのバランスが気になるという方は、スクリューブラシなどで軽くぼかすといいでしょう。
葬儀や通夜の時のリップメイクは、原則口紅は使わず、リップクリームで軽く保湿するのみに留めるのが一般的です。
口紅をつける場合は、ナチュラルで肌から浮かないベージュやローズ系のものを選んで、薄くブラシでつける程度にしましょう。
赤みが強いリップや、ビビッドなカラー、そしてツヤ感のあるグロスやリキッドルージュは絶対に避けて!パールやラメ入りのものも、ふさわしいとは言えません。
「悲しくて、紅を引く暇もありませんでした」というお悔やみの気持ちも込めて、ほとんど素の唇に近い状態で参列しましょう。
ショートヘアの場合は、無理に結んだりする必要はありませんが、顔周りの邪魔な毛などは黒いピンでしっかり止めましょう。
それ以外のミディアムやロングの方は、耳より下でまとめるのが一般的です。
まとめる際に使用するヘアアクセサリーは原則黒、シュシュや大きな飾りつきのものはカジュアルな印象を与えるので、ネット付きのシニョンバレッタなどがオススメです。
ヘアゴムを使って髪を束ねる場合は、髪の毛でゴムが見えないようにぐるりと覆って。ヘアスプレーでおくれ毛が出ないように整えるとさらに好印象です。
巻き髪やパーマも葬儀・通夜にはふさわしくありません。明るすぎる髪色も好ましくないので、できればスプレーやトリートメントなどで落ち着かせておくと良いでしょう。
また、落ち着いた印象のハーフアップも、葬儀・通夜には避けた方がベター。タイトできちんとしたまとめ髪になるよう、美容院でセットしてもらう方もいらっしゃいますよ。
その他にも、結婚指輪以外のアクセサリーは基本NG(ただし、パールとオニキスのアクセサリーはOK)で、腕時計もなるべく外して参列するのが好ましいとされています。
どうしても必要な場合は、ゴールドや派手な装飾のものは避け、なるべくシンプルな腕時計をつけましょう。
そして、派手で目立つ色のネイルも避けた方がいいですね。指先は意外と見られる部位なので、できれば何も施していない素の爪が一番ふさわしいと言えます。
葬儀や通夜のヘアメイク・身だしなみは”とにかく地味に、つつましやかに”を意識して、大人としてふさわしい姿で参列しましょう。