「最後にトイレで排便したのはいつか覚えていない」これは、便秘によるものかもしれません。この状態を放置しておくと、肌荒れなどさまざま症状を引き起こす可能性もあります。今回は、便秘の解消方法をご紹介します。
その日のうちにトイレに行った記憶がなく、お腹が張っている感じがしたら、「もしかして便秘かも」と思うことでしょう。でも、具体的に便秘とはどのような状態のことをいうのでしょうか。
一般的に便秘とは、3日以上排便がないか、毎日排便があっても残便感、つまり便が出きっていないと感じる状態のことをいいます。ポイントは排便回数にかかわらず、残便感がある状態でも便秘に含まれるということです。具体的には、便が固くて踏ん張らないとなかなか排便することができない状態も便秘に含まれます。
便秘には一過性便秘と器質性便秘、機能性便秘があり、種類によって症状が異なります。
1.突然の便秘
▼急性器質性便秘(慢性もあります)
2.慢性的な便秘
▼慢性器質性便秘
便秘には一過性便秘と機能性便秘、器質性便秘があり、その種類によって原因も異なります。一過性便秘はダイエットのほか、進学先や就職などによる生活環境の変化が原因で起こるため、原因が取り除かれれば自然と治ることが多いです。
ここでは、機能性便秘と器質性便秘の原因をチェックしていきましょう。
1.機能性便秘
便秘を語るうえで外せないのが大腸です。私たちが口にしたものは食道、胃、小腸を通り大腸に達し、大腸で便が作られます。健康な大腸は収縮を繰り返す蠕動(ぜんどう)運動により、便を排出しますが、何らかの原因によりうまく働かなくなると便秘が起こります。これが機能性便秘です。機能性便秘はさらに3つに分類されます。
2.器質性便秘
大腸で炎症が起こっていたり、手術後に癒着が発生したりと、大腸そのものに原因があることで発生する便秘が器質性便秘です。大腸に炎症が起こる主な原因には、イレウスや大腸がんなどの病気が挙げられます。
器質性便秘の場合、便秘のほか血便や激しい腹痛、嘔吐などの症状が現れることがあります。発熱や倦怠感などの症状も見られます。その場合は下剤を使用してはいけません。かならず医療機関で治療を受けましょう。
器質性便秘の場合は、下剤を飲んだら症状が悪化する可能性があります。
出血や腹痛、嘔吐などの症状が出た場合は医療機関を受診しましょう。
機能性便秘の場合は、お腹の張りや残便感のほか、食欲不振、肩こり、腰痛、肌荒れ、イラつき、下腹部痛などの症状が現れます。
これは、便秘が続いて、便が大腸内に留まることで腸内に悪玉菌が増えるためです。腸内で悪玉菌が増えると、血行不良を引き起こします。血の巡りが悪くなると、自律神経に悪影響を及ぼすため、身体にさまざまな不調をきたします。肩こりや腰痛は血行不良が原因で起こります。そのため、血行不良が原因で起こるといわれている、冷えや手足のむくみ、月経不順なども併発する可能性があります。
では、改善するためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか?それは、原因の大半をしめている生活習慣の乱れを1つずつ正していけばよいだけです。まずは、規則正しい時間に起き、排便のリズムをつけると共に朝ごはんをしっかり食べましょう。朝から腸を動かす習慣をつけることで、消化した食物を腸内で移動させたり便を体外へ排出させたりする蠕動運動のリズムが正常になります。
食生活では、繊維質の多い食品や水分を積極的に摂ることも大切です。野菜や豆類、イモ類、海藻や果物は繊維質が多い食品として知られています。
さらに、お腹を適度に刺激するマッサージなどをすることも効果的です。
改善したいと思ったら生活習慣を見直すことが大切です。朝食を摂ったり、水分を意識的に摂ったりして便秘改善に努めましょう。